フィンランドの学校教育について知りたいと思って

2017年1月14日・15日の2日間にわたって開催された、一般社団法人Teacher’s Lab主催、フィンランドの教育についての勉強会『これから「本当のフィンランド」の話をしよう〜教育大国の真実』へ行ってきました。
北欧の動向を学ぶことは、高齢化、福祉、学校教育、ナショナリティ、経済など日本の未来を考えるにおいても大変参考になるのだろうなと漠然と思っており、きっかけがあれば本格的に理解を深めたいと思っていました。実際に北欧について詳しいかたに話を伺ってみたい、そんな念願がかなった勉強会でした。
北欧とは、5カ国3地域。スウェーデン、デンマーク、グリーンランド、フェロー諸島、ノルウェー、フィンランド、オーランド諸島、アイスランド。 その中で私がフィンランドの学校教育に興味を持ち始めたのは、数年前に「フィンランドはもう「学力」の先を行っている」(福田誠治, 2012)という本を読んだことがきっかけでした。
また、アメリカの先生とフィンランドの先生の状況を比較した次の動画からも興味を掻き立てられました。
Finnish teachers can also customize their curricuum and work one on one with students. Teacher is one of the professions, actually, which comes after doctors and lawyers. 90% of teachers stay in the field their whole career. On the other hand, American teachers have to tailor their curriculum to standardized tests. Classrooms are overcrowded. And many teachers are even forced to take second jobs to make ends meet. As a result, 50% of all new teachers leave after five years.
(ATTN, 2016)
https://www.facebook.com/attn/videos/1133559323346192/
さらにもっと詳しく知りたい、と思ったのには、主に2つの理由があります。
1つ目は、親としての立場から。私は、今年2017年4月から、小学生に入学する子供を持つ親でもあります。2030年に成人を迎える世代がこれから小学校に入ろうとしています。子供たちの教育、そして日本の未来について真剣に考えたいとも思い、日本内部だけではなく、注目を浴びているフィンランドの学校教育がどういう点から進んでいると言われているのか、家庭でも何か試みることはできるのか、知りたいと思ったからです。
2つ目は、企業の人材教育の視点から。将来を見据えて、ビジネスパーソンとしてどのような能力を開発しておくべきか、キャリアビジョンについて考える機会がたびたびあります。今、ビジネスパーソンに求められているものは、定義を沢山知っている「優秀さ」ではなく、「使いこなしていく力」などとも言われており、そのような考え方に「コンピテンシー論」というものがあることを知りました。「コンピテンシー」とは直訳すると「能力」の意味ですが、その能力の判断基準は「成果につながるかどうか」です。コンピテンシーという言葉を定義づけると、「なんらかの成果や効果、価値を生み出せる能力」ということになります(川上, 2009)。
将来的に、日本の職業人口は減少していきます。今後、テクノロジーを駆使し、いかに業務を効率的にやるかが問われてきます。そのため一人ひとりがどのように効率的に職務をこなすかを考える必要が出てきました。各社生み出そうとしている成果は違うので、どういう状況に企業があるのかを考え、自分が使える能力は何か、使いこなすべきコンピテンシーは何か考えて的確な目標を設定していかなければなりません。それが、企業にとって必要なResource managementです。しかしながら、こういったことは、ビジネスパーソンになってから考え始めるだけで、本当にいいのでしょうか。
知識だけではなく、知識を使いこなしていく力をどう養っていくのか、コンピテンシーをどう開発していくのか、フィンランドの学校教育から、日本の学校教育やビジネスパーソンの社員教育に至るまで、何らかのヒントが得られるのではないかと思っています。 日本の教育の未来について考えるきっかけを得たい、そう思ってこの勉強会に臨みました。
参考
- 福田誠治(2012)「フィンランドはもう「学力」の先を行っている」〜人生につながるコンピテンス・ベースの教育〜亜紀書房
- 川上真史(2009)「のめり込む力」ダイヤモンド社